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連合⇔芳野会長⇔立民党⇔共産党 がらみについて思うこと
僕は、転職前の勤務先の労働組合で24年間役員を務め、連合地域組織の役員も長く仰せつかってきた。
実は転職後の今も、地元自治体行政委員などの公職を務める都合上、連合地域組織の「特別幹事」の肩書をいまだ拝命している。

「半分現役」とも言える今の立場からはなかなか書きにくいのだが、連合(芳野会長)vs 共産党のことについて、思っていること。

【連合幹部は、対「共産党」観の誤った「ドグマ」に取り憑かれていないか】
まだ僕が駆け出しの労組役員だった頃、当時現役だった(故)山岸連合初代会長の講演を直(じか)に聞く機会があり、その中で彼が、全電通(現NTT労組)はなぜ組織内から共産党を排除したか、について話しておられた。
山岸会長は全電通のご出身。 全電通と言えば、右寄りの(旧)同盟に対して「左寄り」と目される「(旧)総評」を代表する構成産別組織。 そんな組織を出身母体とする彼が共産党を嫌う理由。 それは「共産党は、労働組合組織を支配しようとするから」なのだった。

共産党には2つの側面があると、僕は思っている。
1つは、言うもでもなくマルクス主義に基づいてプロレタリア革命を目指す共産主義政党。 だが、マルクス主義を標榜する政党と言えば、総評が支持していた(旧)社会党もそうだったのであって、例えば党内左派「協会派」の理論的支柱であったマル経イデオローグの大内兵衛と向坂逸郎は、岩波書店からカール・マルクス「共産党宣言」を共訳・出版しているほどだ。
マルクス主義(共産主義)政党を排除するのであれば、共産党と同じく社会党も排除されてしかるべきだろう。 だが、そうはならなかった。

連合による共産党と社会党の位置付けを分かつもの、それは共産党の持つもう1つの側面、「我が国における唯一無二の革命『前衛党』」を自認して憚らない点だろう。
前衛党 : 前衛となる政党のこと。 マルクス・レーニン主義の立場では、プロレタリアートや大衆運動、革命などを指導する政党(Wikipedia)
すなわち、「革命の主体は言うまでもなく労働者・一般大衆だが、その遂行には、知識と見識を備えた専門家集団による正しい指導と組織化が不可欠。 その役割を担うのが前衛党である」という考え方

国会中継やテレビ討論などで活躍する共産党議員たちを見てみよ。 志位和夫(東大卒)、小池晃(東北大卒)、田村智子(早大卒)らの、理路整然とした胸のすくような弁舌。 そう、彼らは皆、紛れもないエリートたち。
そのエリートたちが、マルクス⇒レーニン⇒スターリンの思想と出会ったとき、自らが前衛党の一員であることを確信し、労働者・一般大衆を正しく組織して、革命の最前線に正しく導いていくのが自らの使命である、と考えたとしても不思議はない。 労働組合は、彼ら(=前衛党)により正しく指導されなくてはならないのだ。
現場叩き上げから組織トップに上った山岸会長は、共産党にこうした臭(にお)い「エリート特有の『上から目線』」を嗅ぎつけ、激しい反感を覚えたのだろう。 そしてこの反感は、当時の労働運動の現場に携わる多くの活動家が共有する感覚だったのだと思う(むろん僕自身も)。
連合が共産党を忌み嫌う原点は、彼らが共産主義政党であることではなく、前衛党思想を振り回す政党であることにある。

しかし時は流れ、労働運動の現場における連合系と共産党系の対立も、あまり見かけなくなった。 これは、一つには往時と較べて共産党の党勢が衰退したことによる。 また一つには、組合組織率の低下に見るとおり組合員が減少し、労働組合がもはやヘゲモニーを争うほど魅力的な組織ではなくなってきたことにもよる。
山岸初代会長がかつて激しく反発した共産党の「前衛党」思想も、共産党自身を別にすれば、世の中からは忘れられた。 そんななかにありながら、現役の連合系労組の役員には、先輩たちから「共産党だけはダメ」というドグマが綿々と申し送られる。 しかしその理由を問われると、「そりゃ、共産主義を標榜してるからだよ」という答えしか返ってこない。 本来の理由は、未だに前衛党を標榜しているからなのだが、前衛党思想なんて知ってる人間は今や希少なので、誤った理解が伝えられる。

今日的な、自主・自律を旨とする労働運動の現場においては、前衛党による「指導」という名の支配・介入は否定されて良い。 だがいっぽうで、政治・選挙の現場では別の価値観が必要だろう。 政権奪取のための冷徹な判断、そのためには共産主義革命を最終目標とする政党とも与する。 そういうマキャベリズム的したたかさが、政治を通して世の中を変えていこうとする者には必要なのではないか。
共産党が閣外協力する政権が誕生した程度で、この先100年のうちにプロレタリア革命が起こるなんてことは、まずないだろう(この国では、未だまともなブルジョア革命すら起きていないのだから)。 100年内に起こるか起こらないかのプロレタリア革命を憂慮するあまり、今すでに生じている危機的な貧富の格差、10年内に日本が巻き込まれるかも知れない国際紛争勃発への懸念を、指を咥えて見ているがごとき愚挙を、連合には犯して欲しくないのだ。

【芳野会長は「女カポー」か】
連合第8代会長:芳野氏は、周知のとおり歴代で初の女性会長である。
実は、僕の前職企業&労組は、氏が委員長を務めたJUKIさんとは徒歩10分程度のご近所であったが、氏とは面識がない。 彼女は早くから連合東京・本部の役職を務め、連合地域組織で活動する僕とは、接点がなかった。
「よく知る間柄」バイアスに囚われず彼女の言動を見るとき、彼女もまた「女カポー」なのか、と思ってしまう。
カポー : 第2次大戦中のナチスによるユダヤ人収容所において、ユダヤ人囚人の中から従順な者が抜擢され、看守補佐の任に当たらされた者たち
カポーは自分らの厚遇を守るため、ときにドイツ人看守以上に、同胞であるユダヤ人囚人を虐待することもあったという

男性的価値観が支配する組織のなかで女性が伸し上っていくには、ときに男以上に男らしく振る舞って男性の支持・喝采を得ることが必要になろうことは、容易に想像できる。
政界では、高市早苗や「八紘一宇」でおなじみのあの姉サン。 なにも自民党議員に限ったことではない。 政権党だった時代に、まことに男らしく事業仕分けを主導した(元)クラリオンガール。
他の世界では、横審で朝青龍の品位のなさを男性メンバー以上にコキおろしていた、内館牧子とか。 このような女性たちのことを、僕は「女カポー」と呼ぶ。
労働組合の世界も、典型的な男社会。そのなかで、女性が連合トップまで昇り詰めることの困難さは、想像に難くない。 でも芳野会長、それを成すために、男社会マジョリティに迎合してはいないか? 「共産党との選挙協力で、組合員の票が行き場を失った」は、あなたの本心か?

歴代初の女性会長の、就任早々のこのオピニオン表明に違和感を覚える書き込みは、ソーシャルメディア上に散見される(まさにそれが、僕がこの拙稿をしたためる動機でもある)。
単組・産別・連合と経るなかでの経歴を見る限り、芳野会長は職場における男女格差解消やセクハラ防止など、一貫して女性役員ならではの課題に取り組んでこられたようだ。 先の表明は、彼女のこれまでの取り組みから見ると、やはり大きな違和感があるのは否めない。

芳野会長の出身単組JUKI労働組合は、かつての「ゼンキン連合」加盟組合であった(ゼンキン連合は、その後「金属機械」と統合して現在のJAMとなった)。 ゼンキン連合は(旧)同盟系産別であり、ゼンセン同盟(現「UAゼンセン」)とならんで、労働界最右派・反共の牙城と目されてきた。 芳野会長の先の発言は、そうした出身母体のなかで、周囲の既成価値観(=反共)に迎合した結果であるように思えてならない。

芳野会長、あなたが今の地位を占めるための手段として「女カポー」を採ってきたとしても、僕は敢えて異を唱えない。 だが連合トップに立った今、もう手段にしがみつく必要はないだろう。 これからはあなたのリーダーシップにより、あなた自身の価値観を連合組織内に広めていくべきだ。
手段は手段であって、目的ではないのだから。
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| 社会・政治・経済::労働運動・労働組合 | 02:34 PM | comments (0) | trackback (0) |










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