2014,08,18, Monday
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2011,10,28, Friday
「石水喜夫『ポスト構造改革の経済思想』」なる書物を読んで以来、わきたはここ最近、ケインズの思想と理論に傾倒しています。 労働運動に関わる者として、格差社会の進行とそれを是認する政治・経済思想に反論する「理論武装」の糧として手にした同書でしたが、そこに展開されていたのが、ケインズの系譜を引く思想と理論だったのでした(この書籍についても書評を起草すべく、現在2度目の精読中です)。
「ケインズ『一般理論』」は少し敷居が高くて読むのを躊躇している「ヘタレ」ケインジアンのわきたですが、近い将来ケインズリバイバルブームが到来すると確信しています(まだその気配はありませんが・・・しかたありませんよね、だってほんの数年前までのコイズミ独裁政権下の日本では、ケインズなんて口にしようものならソッコー「アカ」呼ばわりされたんですから(爆)) さて、同書のなかで、「格差の拡大が、教育や学歴を媒介として進行していく」という「新しい現実」を社会学の切り口で分析した、と紹介されているのが、本書「佐藤俊樹『不平等社会日本 - さよなら総中流』」です。 日本の社会学者の共同的取り組みとして1955年以来10年おきに実施されている「社会階層と社会移動全国調査」(SSM調査)という大規模な調査があります。 本書では、このSSM調査による膨大なデータの綿密な分析をとおして、日本における上流階層「ホワイトカラー被雇用者で幹部社員」(W雇上)について、親が「W雇上」でない者の「W雇上」への流入や、親が「W雇上」である者の「W雇上」外への流出が近年遮断されており、この階層の固定化が進行している、ことを指摘しています。 その難解なデータ分析の部分は2行おきに読み飛ばしたとしても、以下のような示唆に富む指摘がなされていて、わきたの新鮮な驚きを誘いました。 続き▽ |
2011,08,25, Thursday
わきたも、本著の考証にはいささか拙速に過ぎる部分があると感じますし、ネット上でも「批判の少なからぬ部分が、消費税の本質に対するものではない」「中小・零細企業の不利益ばかりを、ことさらに強調している」「一部、明らかな法令の理解不足がある」などの批判も散見されます。
しかし、消費税について、以下の点を明らかにしたことだけでも本著は評価されて良いと思いますし、事実、賞賛する声のほうが圧倒的です。 続き▽ |