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震災後の復興を考える
 被災地での惨状はまだまだ伝えられ、東京電力福島第1原子力発電所の炉心融解&放射性物質漏洩事故は、極めて憂慮すべき状態を継続中ではありますが、震災後の復興、とりわけ経済面での復興について考えるところを書いてみます。

 この震災が日本経済に与える影響について、まず震災後初期においては、当然のことながら経済停滞は免れないでしょう。 自動車・電機など国内製造業は、震災地においてはもちろんのこと、それ以外の地方でも部品や電力の供給が滞って生産休止状態に追い込まれていますし、商業についても東日本ではそもそも「売る物がない」状態となっています。
 また、生活必需物資の買占めとは裏腹に、生活に必ずしも不可欠ではない物品については、レジャーなどサービス産品も含め、沈滞する消費マインドにより買い控えが起こるものと思われます。 こんなときにプラズマディスプレイ買ったって映るのは震災報道ばかりで気が滅入るだけだし、ましてや液状化を掻き分けて浦安のネズミに会いに行こうって気には、誰だってならないでしょ?

 しかし震災後初期の経済停滞を経て以降は、適切な経済政策を前提として、むしろ震災前の景気回復基調をさらに強めるほどの経済復興が可能だと、わきたは考えています。

 まず社会インフラの復旧。 これについては、行政をおいて他に担う主体はありません。 しかし、国も地方も財政は火の車、増税は不可避でしょう。 かと言って逆進性を省みず広範な増税を行ってしまっては、経済復興の原動力とも言える購買意欲を削いでしまい、本末転倒となりかねません。 当面は、法人税率や個人所得税の最高税率などの引き上げに留め、消費税率や個人所得税最低税率引き上げなどの逆進性を伴う増税はすべきではありません。
 けれども、逆進性を伴わない増税とはすなわち「金持ちからたくさん取る」増税であり、一般に金持ちがマイノリティであるような社会では、その税収増効果は限定的とならざるを得ません。 何らかの補完策が必要となります。
 そこで、より広範な逆進性伴う増税は時期を遅らせて実施することとし、震災復興初期においては一般消費の購買力を削がずに財政上の健全性を図る必要があります。 具体的には、将来の消費税率あるいは個人所得税最低税率などの引き上げを償還計画に組み入れたうえでの「震災復興国債」の発行が最善の方策となるでしょう。 将来の増税を担保に、借金するわけですね。

 そして震災後の経済復興の目玉となるのは、企業部門における生産力回復投資です。 生産力を震災前のレベルに戻すための自社生産設備に対する投資を、確実に行う必要があります。
 2002年2月から2007年10月まで続いた景気拡大期間、所謂「いざなみ景気」では、企業部門に蓄積した利益が適切に家計部門へ移転しませんでした。 この間のGDPの伸びは20兆円超であるのに対し、勤労者所得は逆に4兆円以上減っており、このことがこの景気拡大期間をして「実感なき景気拡大」と言わしめるところとなりました。 この間に企業が蓄積した内部留保に適切な使途を与える、千載一遇の出番が到来したと見るべきです。 企業による自社設備への投資で、広く社会全体の設備投資需要を拡大させるのです。
 平時であれば、民間の刹那的で過剰な設備投資は避けるべきです。 何故なら、民間設備投資は企業の生産力を増強するものであり、その投資が行われる時点では設備投資需要を拡大させますが、次のフェーズでは生産物供給を拡大させるからです。 過剰な民間設備投資は、一瞬の需要増により景気を急拡大させますが、次の瞬間、今度は急激な供給過多としてデフレを招くのです。 民間の、投資を含めた経済活動に無限の自由を与えよと主張する新自由主義・新古典派経済学の誤りは、この点にあります。
 しかし、震災復興時における生産力回復投資としての設備投資は、供給力を震災前のレベルに戻すに過ぎず、一般消費マインドと企業業況感を適切に誘導することで潜在需要が維持されれば、投資が行われたのちも需給バランスを崩しません。 急激な供給力増強を招かずに有効需要を創出する代表的な方策としては「公共事業投資」が挙げられますが、これに似た効果を持つものと期待されます。 財政出動を伴わずに公共事業投資効果が得られるのです。

・・・・・

 千年に1度と言われる今回の大震災に際して、多くの企業が義援金拠出に名乗りを上げています。 そのこと自体は、高く評価すべきことです。 しかし、この震災に対する企業の真のスタンスは「損壊した自社事業所をどうするのか」にこそ明確に表れると、わきたは思うのです。
 地元の経済復興・雇用回復に自社事業所の再建を重ね合わせ、内部留保の放出(注1)を厭わずそのことに全力を尽くすのか、それとも震災を機に被災地からの拠点の脱出を図るのか ・・・ 企業経営者のモラルとモラールが問われています(注2)。

注1 実際には、設備投資は内部留保の放出を伴いません。
 B/S 上では資本・資産総額の増減は伴わず、現預金あるいはその他の流動資産から固定資産へと資産高が移動するだけです。 こんな細かいことは論旨に何ら影響するものではありませんが、「わきたは企業会計をてんで理解してない」と思われるのもシャクなので・・・


注2 その意味では、これまでも経済活動の拠点としては自国をないがしろにしてきたあのアパレルメーカーのCEOが、個人で10億円寄付したところで、ドッチラケ。
 金持ちが銭の使い道に困ったあげくの、多少マシな「思いつき」程度の意味しか持ちません。
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| 社会・政治・経済 | 08:29 AM | comments (0) | trackback (1) |










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書評 - 斎藤貴男『消費税のカラクリ』(講談社現代新書、2010年)



 わきたも、本著の考証にはいささか拙速に過ぎる部分があると感じますし、ネット上でも「批判の少なからぬ部分が、消費税の本質に対するものではない」「中小・零細企業の不利益
| Y's Blog | 2011/08/27 10:17 AM |
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