2010,12,25, Saturday
この連ドラのキャスティング、キテレツであります。 「フツーあり得ねぇだろ」のオンパレードです。
放映が開始されてまず耳目を疑ったのは、ヒロインの母親役を演じる「安田成美」。 このヒト、1994年秋から放映された同じ連続テレビ小説「春よ、来い」のヒロイン役で悲惨なほどの大根役者振りを発揮し、前代未聞の番組放映期間中降板(後任は中田喜子が務めた)。 その降板劇の真相は「明らかでは無いものの、安田が脚本に違和感を憶えたことによると伝えられている」そうですが、わきたが想像するに、あのオソマツな芝居を各方面(原作者の橋田壽賀子を含む)から罵倒され、精神的に参ってしまっての降板(降参)だったのでしょう。 そう想像させるくらいに、あの演技はヒドかった・・・小学校の学芸会のほうが、まだマシ。 わきたは民放をほとんど見ないので、最近の安田がどうなのか、知り得ませんでした。 そのため、このドラマに安田が出演すると知ったとき、わきたは「過去の失敗を乗り越えて、中堅女優として力強い成長を遂げたのか!?」とも考えました。 しかしその演技は、あれから16年を経た今もマッタク変わっていないのでした。 相変わらず、頚(こくび)を傾げてカワイコちゃんポーズ、鼻にかかった高音で抑揚のない一本調子なセリフ。 ちょっとオツムの足りない小娘役なら演じられても、まともな母親役なんかはまぁ無理でしょう、このヒトには。 わきたは、この安田のように何年経っても芝居が上達しない女優を、もう1人知っています。 1クール前の「ゲゲゲの女房」にも出演した「松坂慶子」です。 でも松坂くらいの大物になると、その「ヘタを固めた」ような芝居が、逆に安心感を醸し出すようになります -「松坂慶子に松坂慶子を上回る芝居は全く期待できないけれど、松坂慶子未満の芝居も見せない」- 安田がこの域に達するには、もう十数年は必要でしょう。 過去に大失敗をやらかし、その後目立った成長もしていないこの三流女優を、NHK はどうして再抜擢したのか? 「フツーあり得ねぇ」 次に、ヒロインの祖母役「富司純子」とナレーション「中村玉緒」。 この2人はセットで論評。 富司純子 - 東映「緋牡丹博徒」シリーズの緋牡丹お竜(当時は「藤」純子) 中村玉緒 - 大映「兵隊やくざ」「座頭市」シリーズの主役で、薬物不法所持事件を2度起こすなどリアル社会でもヤクザ者を地で行った勝新太郎を、健気に庇(かば)った恋女房 要するにこの2人、どうしたって「そのスジ」だの「裏街道」だのをイメージさせずにはおかないのです。 お好み焼きより手本引のほうが断然似合う富司と、飛田新地の遣り手ババァを連想させる、オドロオドロしいダミ声関西弁の中村(※)。 誰もが明るい今日一日を願う朝8時に、なんでこんな大阪ノワールなんかを見せられなきゃならないのか? 「フツーあり得ねぇ」 ※ あくまでも「イメージ」です。 わきたは飛田新地に出入りしたことはありませんので、かの地に「遣り手ババァ」職がおられるのかどうか、またおられる場合でもそのお方がダミ声なのかどうかは、一切存じません。 ヒロイン就職先の先輩社員役、「川中美幸」。 ずいぶん前に深夜トラッカーたちの間で流行った所謂「デコトラ」には、こんな文字がよく踊っていたものです - 「艶歌一筋 川中美幸」。 要するにトラックの運チャンたちのアイドルです、このヒト。 もちろん、演歌歌手が本業ですから、俳優としての実績はあまりないはずです。 しかしこのヒトの場合、あり得ねぇ起用ではあるものの、予想外の好演でびっくりしました。 本ドラマ出演者のなかで、芝居の上手さでは、富司純子とトップを争うのではないかな。 でも、実績のない演歌歌手を、朝の連ドラのレギュラー俳優によく起用したな・・・「フツーあり得ねぇ」 同じくヒロイン就職先の先輩社員役、「赤井英和」。 滑舌悪いセリフ、立ち居振る舞いの拙さ・・・どこをどうとっても役者とは呼べないであろうこのタレントを、どうして NHK は起用したのか? しかもその拙さ加減は、前述安田と同じく「春よ、来い」で充分に実証済みなのに。 元プロボクサーで、試合中に生死をさまようほどの頭部の怪我を経験した。 滑舌が悪いのは、その後遺症のせいだから、大目に見てやれ・・・ですか? 「浪速のロッキー」と持ち上げられ、世界チャンプは時間の問題とも。 ところが、世界戦の前哨戦で格下相手を舐めてリングに上がり、手痛い敗戦 ⇒ 脳挫傷 ⇒ 引退。 ロッキー・バルボアとは、あまりにかけ離れたボクサー像に映ります。 プロボクサーの世界っていうのは・・・昼間はラーメン屋で出前のアルバイト。 それが終わったらジムに通って、深夜までトレーニング。 試合前の減量では、唾液も枯れるほどに身体を絞込む。 そんなストイックなボクサーでも、大事な一戦に負けてしまえばそれでお終い。 アルバイトだったラーメン屋の出前を、それからは本業に替えて生きていく・・・こんな風に非情で厳しいものだと、わきたは思っていました。 ところがこのヒトの場合、格下相手の舐めた試合で大怪我 ⇒ 引退しても、その後にタレントとしてスポットライトを浴びる第2の人生が待っていた・・・このヒトを見てると、プロボクサーって案外つぶしのきく堅い商売のように思えてきます。 それでも大目に見てあげるべきですか? 「フツーあり得ねぇ」 とまぁ、こんな風に、「フツーあり得ねぇ」キャスティングがてんこ盛りです。 この業界のシキタリに明るくないわきたには誰が起用を決めるのか判りかねますが、この起用を決めたヒトはきっと特異な思想の持ち主に違いないと、密かに確信するのです。 |
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長文で論評すると「粘着キモヲタ」などと言われそうなので、アッサリ書きます。
「おひさま」始まりました。 前シリーズがあまりにアレだったこともあり、今シリーズの秀逸さ
| Y's Blog | 2011/05/01 03:05 PM |
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